つむりの暮らし手帖

晴れの国からこんにちは。

乳がん検診後の精密検査(造影MRI)を受けた

乳がん検診後の精密検査(超音波検査)にて3cm超の腫瘤が発見されたため、さらに詳しく検査を受けた。がんである可能性は低いとMRIで判断され、針生検はせず経過観察となった。一安心。

予定していた検査は造影MRIと針生検。

当日朝は絶食。娘の食べている朝ごはんがやたら美味しそうに見える。水を飲み、ひもじい気分で病院へ向かう。

病院には地味すぎるトラップが仕掛けられている。早めに行くべき。

検査室にて体温・血圧・脈拍・酸素飽和度を測ったのち検査着に着替える。検査着の下はパンツだけは履いてもいいけど金属がついているとダメ。ダサパンツ愛用者の私に死角はない。

生理食塩水の点滴を左腕につけ、点滴台を引いてMRI室へ向かう。スタッフ用の裏道は楽しい。眼鏡と点滴台をMRI室直前のロッカーに置き、MRI室に入る前に金属を身につけていないか再確認される。ちなみに歯の詰め物はおおむね問題ないとのこと。*1

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上のイラストとは異なり、乳房のMRIはうつ伏せで撮る。U字型枕に頭を乗せ、乳の位置がくり抜かれたマットに乳を合わせて乗る。技師さんが乳ポジを確認、調整。手は伸ばして身体の横へ、バンドで軽く固定される。やる気があれば逃げられるけど、逃げちゃダメだ。

気分が悪くなった時のためのボールを手に持つ。

台が静かに動き、筒に吸い込まれる。

検査時間は20〜30分程度。身動きしないで待つ。

検査の説明書に「木槌で木を叩くような大きい音がする」とあったが、これはまるで嘘だった。壁の向こう側で電動ドリルをゴリゴリやっているような、すぐ近所で道路工事をしているような、マフラーのうるさいバイクがすぐ隣を走っているような、超音波洗浄機のバリバリ音を30倍にしたような、とにかく爆音がした。どれも「木槌で木を叩くような」音ではなかった。なんせうるさいので大きな音が苦手な人は検査用の耳栓をもらった方がいい。

音をボーッと聞きながら空想に没入していると、音が止まって技師さんに声を掛けられる。

「今から造影剤を入れて同じように撮影しますね。あと12分くらいです」

なんだとう!!!

造影MRI検査は造影剤ありなしで2回撮る。造影剤を入れる直前のぬか喜びたるや。爆音再び。造影剤を入れる前よりうるさい気がする。

点滴のラインを自動注入装置に切り替えると造影剤が入ってくる。造影剤が冷たくて血管が若干痛んだ。耐えられないときや、息苦しさなどアレルギー症状が出たときはボールを握っていいらしいが、そこまででもないのでボーッとしておく。血管の痛さよりも左の鼻の穴の入り口付近が痒くてクシャミが出そうで出ない方が気になるのよ。最後までクシャミは出なかったけど。ぐぬぬ

私は割とボーッとしやすいというか、目の前のものを見ない聞かない状態で目の前に無いものを眺めたり聞いたりするのが得意な性質でよかったなぁとか、どうでもいいことを考えているうちにMRI検査は終わった。点滴のラインを生理食塩水に戻し、更衣室に帰される。

撮影中、磁気の影響なのか気のせいなのか、測定している胸のあたりが軽くビリっとしたり暖かくなったりした。強力な磁気を当てるのでガチガチの肩こりが治るのではないかしらと、何の根拠もない期待をしたけど、やはり肩こりは肩こりのままであった。何の根拠もないからね、残念。

生理食塩水の点滴を外し、ラインは残したまま針生検を受けるため手術室へ歩く。手術室に髪が落ちないよう不織布製の帽子をかぶって入室、手術台に登る。ところが、手術室にやってきた先生がなんだか挙動不審。不穏な気配。超音波で腫瘤を確認しながら「うーんうーん」と呻き、手術室を出て行った。待つこと数分。

針生検は中止になった。

MRIでは乳がんを疑う所見がなかったそうだ。腫瘤の成分は主に脂肪、問題の腫瘤以外に造影剤で染まるところはポツポツあるが、総合的には経過観察できるもの*2である可能性が高いため、現時点でベネフィットの低い侵襲的検査は避けるとの判断。

ちなみに先生が挙動不審だったのは、手術室に入ってからの検査中止が数年に1度あるかないかのレアケースで、つい動揺しちゃったかららしい。超音波検査時の予想*3とは全然違ったので、専門医が動揺するのもむべなるかな。

不要な検査をするところだったこと、不安にさせたであろうこと、ムダに時間を取らせてしまったことなど、ひとしきり謝られてしまったのだけど、そこまで恐縮されるとかえって申し訳ない気持ちになる。検査を準備してくれたのにムダになってしまった。もったいない…

半年後に超音波検査の予約を取る。

お会計9710円也。

車を出したので美味しいものを食べて帰ろうと思ったが、道を間違えてお店にたどり着けないまま家についてしまったのはまた別の話。あずきバーうまうま。

*1:一般的に、歯の詰め物は磁性のない金属を使用しているので検査に影響しないことが多い。参考

*2:脂肪島、過誤腫、乳腺症など

*3:線維腺腫または葉状腫瘍疑い