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くらしのおと。

24時間、365日をいきている。

大阪北部地震の現場から〜そろそろ災害ストレス対策とメンタルヘルスの点検を!

大阪北部地震から10日が過ぎました。余震もだいぶ少なくなっていますが、避難所にいらっしゃる方、生活が落ち着いてきた方と、状況は様々だと思います。

わたしは生活こそは落ち着いてきましたが、頭の中にはまだ地震のことがあります。地震に関する夢を見て夜中に目が覚めたり、頭上を警戒するあまり電柱にぶつかったりも続いており、そろそろメンタルヘルスの面から自分自身を点検したほうがよいと感じています。

そこで今回はセルフチェックを兼ねて、わたしが実際にしている災害後のストレス対策についてまとめます。記事の最後には詳しいサイトへのリンクをまとめてますので、お急ぎの方はそちらへどうぞ。

災害時の心身の防衛反応

災害時には、強いストレスに反応して心身や行動に様々な変化が現れます。興奮しやすくなったり、活動的になったり、警戒心が強くなったり、不安を感じやすくなったり、食欲が低下したり……これらは非常事態から身を守るため自律神経系や内分泌系(ホルモン)が働くことによる自然な反応で、通常は時間の経過とともにおさまります。

わたしの場合…

地震直後から3日程度は活動的になり、2歳児を世話しながら家の中の片付け、安全対策、買い出しを一気にやりました。夜は寝つきが悪く、寝ついてもこどもの夜泣き、余震、地震の夢などで起きてしまうことが多く、あまり眠れませんでした。地震発生から4日目、お風呂に入れた日から眠れるようになりましたが、翌日から急激に疲労が出てきました。

 

対策は「安全確保」をした上での「休養」「栄養」「リラクゼーション」

地震を体験して10日あまり、わたしたちはまだまだ疲れています。今のわたしたちに必要なことは、安全を確保した上で十分な休息や栄養を取ることです。現実的にはするべきことも残っていますし、不安が多い時期でもあるので、行動している方が気分的に楽なところもありますが、無理は決してしませんように。

不安や緊張があるときは、呼吸法や軽いストレッチなどのリラクゼーションがよいことがあります。5分10分あればできるので、試してみてください。 

わたしの場合…

こどもが眠っている間、眠れなくてもなるべく横になるようにしています。食事は朝昼晩と食べています。

時々、息が詰まるような感覚があるので、そのときは呼吸法で対処しています。思い出したときにストレッチもしていますが、けっこうこわばってますね。呼吸法やストレッチのときは「今、ここ」に「いつもどおり」に存在している自分を意識するようにしています。

 

災害ストレスによる「症状」

災害という非常事態下では、あまりに大きいストレスに圧倒されてしまい、以下のような「症状」があらわれることがあります。

  • 時と場所を選ばず災害の場面を思い出して苦痛を感じたり感覚が蘇ったりする。
  • 災害に関連する悪夢を何度も見る。
  • 災害を連想させるものに触れると苦痛を覚えたり、身体が反応する。
  • 災害以前は感じられていた幸福感、満足感、愛情などを感じられなくなり、恐怖感、絶望感、悲しみ、恐怖、警戒、罪悪感などに支配されてしまう。
  • 外から自分を眺めている感覚になったり、現実感や時間感覚を失う。
  • 災害に関する記憶が抜け落ちる。
  • 災害そのものや、災害に関連する苦痛な感情や思考を想起させるものを避けようとする
  • 睡眠に支障が出る(熟睡できない、寝つけない、すぐ起きる)。
  • 苛立ちや怒りにより暴力的になったり、言動が激しくなったりする。
  • 警戒心が異常に強くなったり、ささいな刺激に対して異常に反応する(驚き、恐怖感)
  • 集中力が低下する

これらは自然におさまることもありますが、症状が強かったり長期化したりで、苦痛や生活への支障があるようならば専門的なケアを受けた方がよいです。

わたしの場合…

時間が経ってから自覚したことですが、地震発生から数日は現実感や時間の感覚があまりなく、地に足がついていませんでした。同様に、わたしには地震発生時の音の記憶がありません。他の人が「すごい音がした」と言っているのを聞いて初めて自覚しました。聴覚だけ解離したんだろうか…。

今はまだ、仕事中にいつの間にか地震のことを考えていて集中できなかったり息苦しくなったりしますし、地震の夢で飛び起きることもあります。最初に書いたとおり頭上を警戒しすぎて電柱にぶつかったりもしています。

ネガティブな気分はそれほど感じていませんが、少し街を離れていつもどおりの日常が回復していく様子を見ると、わたしの周囲に急に透明な膜があらわれて、その中に閉じ込められるような感覚を覚えて苦しくなります。絶望的な断絶感とでも言えばいいのでしょうか。地震がほんとうには起こっていない別の世界線に立っているようで、それなのにいま感じているこの苦しさは何なんだと思うこともあり、現実感がやや混乱している。

今は疲労が前景にあるので、もう少し疲労が回復したら隠れているものがあらわれてくる可能性もあるとは思っています。

 

専門的なケアにつながる方法

専門的なケアにつながる方法ですが、自治体によりますが、地震後のメンタルヘルスに関する相談窓口が利用できます。わたしの住む街では、自治会長が各戸にビラを配布していましたし、それとは別に回覧板でも案内がありました。お住まいの自治体のホームページなどからも情報を得ることができます。

地震による家財などの物理的な被害も大きなストレス要因になり得ますが、物理的な被害についても専門の相談窓口が設けられています。

とりあえずは、今これを見ている端末で、相談窓口の連絡先を調べて端末に登録しておくのがよいです。必要なときにボタンひとつでつながると思えば、それだけでも少し安心ですしね。

かかりつけの精神科があれば、相談してみることもできると思います。

わたしの場合

地震の前からお世話になっている精神科の先生がいるので、来週以降も症状らしきものが改善しなかったり悪化したりするようなら、受診を前倒しして相談する心づもりをしています。

余談ですが、ここに書いていることのほとんどは地震のずっと前に先生に教えてもらったことを元にしていて、わたしは対処方法を知っているという事実が、今わたしを支えてくれています。まことに縁とは奇妙なものだと思います。

 

医療機関への受診や自治体窓口への相談に遠慮は不要です。「自分の被害なんてたいしたことなかったのに」「もっとひどい被害を受けた人もいるのに」そんな気持ちがあっても、とりあえずは横においておきましょう。ストレスへの耐性は個人差が大きいので、物理的な被害が同程度でも辛くなる人は辛くなるし、大丈夫な人は大丈夫です。もしかすると「自分は心が弱いのかもしれない、情けない」と感じているでしょうか。それも横においておきましょう。災害は生物の本能的欲求である生存や安全を脅かす非常事態ですから、ストレスに圧倒されてしまっても、ちっともおかしくなんかありません。

今いちばん大切なことは、苦痛を取り除いて明日も生きていくことです。

 

災害時のこどもの反応と親にできる対処

2歳過ぎのこどもを持つ親としては、災害がこどもにどの程度影響しているかも気になるところです。

幼いこどもは感じているストレスを言葉で表現することができませんが、ストレスに対する反応は言葉以外の方法、例えば行動や遊びを通した表現や、睡眠、食事、機嫌の変化としてあらわれます。そのような変化を見逃さず、いつもより密に向き合って安全と安心を与え、生活を整えるくらいが家庭でできるケアですね。この記事の最後からリンクをしていますが、日本児童青年精神医学会作成のリーフレットが分かりやすいです。

それでも本人がしんどそうな様子が続くならば、やはり専門的なケアを受けた方がよいです。

わたしの場合…

地震後、こどもがなかなか昼寝をしないこと、夜泣きで起きてしばらく泣くことが何日か続きました。地震から数日間は食欲が落ちました。地震で倒れたメタルラックを起こした後も、「たおれてたねえ~」「こわれてたねえ~」と何度も何度も繰り返していました。地震の影響かイヤイヤ期の本格化かはわかりませんが、「ギャー!」と泣くのがやたらに早くなりました。

保育園が休みになったのもあり、しばらく一緒にいてこどもが甘えてきたらなるべく抱っこしました。また、落ち着いて遊べる場所(子育て支援センター)に連れ出して気分転換をさせました。本人に怖い思いをした記憶があるのかどうか分かりませんが、わたしは、おかあさんがしばらく一緒にいて嬉しいという記憶で上書きできないかしらと考えていました。

 

共感疲労を起こさないために

※このセクションは今回の地震の影響を受けなかった地域の人に向けて書いています。

災害のあと、テレビや新聞などは競うように現地の情報を流します。近年はSNSで当事者の書き込みや写真を目にすることも多いです。現地の被害の情報、とりわけ悲惨な映像に繰り返し触れることで、直接的に体験していないのにストレスによる影響を受けてしまうことがあります。共感疲労という名前で知られています。

わたしの場合…

阪神淡路大震災や米国同時多発テロの直後に繰り返しテレビの映像を見てしまい、ふとした瞬間に映像が浮かんでしんどくなったり、悪夢を見ることがありました。東日本大震災の時には映像を見てしんどくなることが分かっていたのでなるべく避けました。

今回の地震でテレビを見たのは地震発生当日の午前中くらいです。テレビでは半径500mの状況は分からない。地震全体の被害状況よりも、最寄りのスーパーで食料や水を確保できるかどうかの方が重要でした。

仕事などでどうしても現地の被害状況を知る必要がある方や、現地に援助に入る方を除いては、あまり情報に触れないようにすることで共感疲労から身を守れますので、どうか情報に振り回されず、これまでどおりに平穏な生活を送ってくださいますように。

現地はまだ疲れています。その上、他の地域の人たちまで巻き込まれて疲れてしまったら、いざというときにほんとうに困ります。どうかよろしくお願いします。

 

まとめとして

この記事は、地震からある程度の時間が経ち、生活が落ち着いてきたところで心身の状態をいちど点検して、苦痛や日常生活への支障があるようならセルフケアなり専門的なケアなり必要に応じた手当てをしようという内容ですが、現地の住民であるわたしがセルフチェックを兼ねて書いたとてもざっくりしたものです。また、ちょっと思うところがあったので専門用語はなるべく使わないようにしています。

というわけで、正確かつ詳しい情報は以下のリンク先を参照してください。