快適に暮らすために家の片付けに取り掛かったはいいけれど、気づけば片付け本ばかり増えていて肝心の家の片付けはあまり進まない……以前のわたしはそんな悪循環にハマっていました。
その悪循環を断ち切るためのひとつの方法が「好みと適性から片付け方法を選ぶ」ことです。
合わない方法は続かない
どれだけ素晴らしい方法に見えても、片付け本に書かれている方法は結局「他人が試してよかった方法」です。「あなた用にカスタマイズされた方法」ではないので、どれだけ素晴らしい方法に見えても「あなたには合わない」ことがあります。
快適に暮らすための家の片付けとは、言い換えれば「今は快適ではない家を快適に変化させる作業」です。変化はエネルギーが必要な大仕事です。エネルギーは有限ですから、効果的に仕事を進めるには「エネルギーを節約する」か「エネルギーを生み出す」ことが必要です。
合わない方法は余分なエネルギーを使い、エネルギーを生み出すことができません。だから今すぐやめるべき。
片付け方法の好みや適性を考える
それではどうやって自分に合った方法を見つければよいのか?
そのためのアンテナが「好み」と「適性」です。
- 好み ⇒ エネルギーを生み出す
- 適性 ⇒ エネルギーを節約する
ざっくりですが……。
「好み」はモチベーションを作り出します。片付け本を読むときに、片付けの方法自体や、片付けた後の暮らし方が好きかどうか考えてみます。好きだと思えるならその片付け方法は「アリ」、そうでなければ「ナシ」。
「適性」はエネルギーを節約します。こちらは片付けの方法自体や片づけた後の暮らし方のストレスが大きそうかどうかを考えます。ストレスがそれほどでもなさそうなら「アリ、大きいようなら「ナシ」。
好みの面では「アリ」、適性の面では「ナシ」になったり、逆パターンで好みの面では「ナシ」、適性の面では「アリ」になったりするとちょっと迷いますが、片づけた後の暮らしを「多少生活のストレスがあってもそうしたいと思うくらい魅力的か」「あまり好みじゃないけど生活のストレスはなくなりそうか」考えてみるとよいと思います。
片付け方法の選び方の実例
片付け方法を選ぶ際は、写真の多い本をざっとでよいので見てみることが近道です。
実例があった方がわかりやすいと思いますので、対照的な2冊の本を紹介します。2冊目のタイトルに「無印良品」が入っているので、そもそも無印良品が好きではない人は「1冊目!」と思うかもしれませんが、1冊目の著者も「もっと知りたい無印良品の収納」という本を出しています。あくまで一例なので、メーカーで毛嫌いしませんよう。
今は細かいところは読み飛ばして写真と目次と間取り図だけざっと眺めて、好きかどうか、ストレスが大きそうかどうかを考えて、1冊選んでください。
写真と目次と間取り図を眺めるだけで、終着点は「家事がしやすい」ことで同じ、間取りも一般的な「団地」「賃貸アパート」であまり違いがありませんが、方法は正反対だということがわかります。
すぐに本を見られない方のためにざっくりと説明すると、 「家事がしやすい部屋づくり」は、「収納や動線を工夫する」ことが主体です。一方で「無印良品とはじめるミニマリスト生活」はタイトルが示す通り、「所有するものの量を減らす」ことが主体です。いわゆる「断捨離」系ですね。
これで好みと適性がだいたい判断できます。1冊目を選んだ人は「収納や動線の工夫」を主体にすることが、2冊目を選んだ人は「所有するものの量を減らす」ことを主体にすることが「合っている」ので、これまで増やしてきた本の中から自分に合っている1冊だけ残しましょう。
そして、1冊だけ残した「あなたに合っている片付け本」を参考書に、今日から再び家の片付けを再開してくださいね。以前よりはきっと片付くようになっているはずです。
おまけ・わたしの好みと適性の分析のようなもの
以下、わたしの場合の好みと適性の分析のようなものですが、あなたの好みと適性を考える参考になれば。
先ほど紹介した2冊のうち、わたしが選んだのは2冊目です。白色、畳の色、木の色を中心とした部屋全体の色合いや雰囲気は2冊どちらも好きです。ストレスという点では、1冊目は確かにすごくきっちりと整理整頓され、分類され、表示されていて、いわゆる5Sの条件は満たしていますが、わたしにとっては「こんなに収納用品が多かったら、何をどこにしまったのか分からなくなってしまう」「こんなにきっちり場所を決めたら、場所の決まっていないものをなんとなく置いてはいけないような気がしてくる」「そもそもこんなにたくさんのものをわたしは管理できない」と不安を覚えるもので、ストレスは大きいと思いました。
不安の内容から、わたしは「たくさんのものを管理することや、いちど決めたルールを崩すことにストレスを感じるタイプ」なのだと思います。したがって、「ものの数を減らす」「ルールをあいまいにした空間を広く取る」という対策で快適に暮らせることがわかります。